筑波大学体育スポーツ局では、活動を支援するカテゴリーⅠ,Ⅱに所属する3年生を対象にしたセミナーを2024年9月30日(月)に開催し、約250名の学生アスリートが参加しました。
セミナーの目的
今回は、自身のキャリア展望を考えた上で必要なアクションプランを策定することを目的とし、講義やグループディスカッションを通して学び合うセミナーを実施しました。
大学スポーツ活動とキャリア成熟について
最初に、木内敦詞教授から、大学でのスポーツ活動がキャリア形成にどのように影響するかについて、研究を基にお話いただきました。
学生アスリートは、大学スポーツ活動を通じて得られる「個々の経験」や「チームで働く力」がキャリア形成に大きく影響することを理解し、限られた大学生活をどう過ごすかを考えるきっかけとなりました。
これまでの大学生活を振り返る
まず、入学時から抱いていた「目標」や「ヴィジョン」に対する取り組みを振り返り、そこから得られた学びや成長について個々でまとめました。
その後は、グループディスカッションでの発表を通し他者からのフィードバックを受けることで、自身の価値観に沿った行動ができているかを認識する場となりました。
個々で記載した振り返りシート
キャリア形成におけるネットワークの重要性
キャリア教育を担当するヒューマンエンパワメント推進局の福嶋 美佐子助教からは「弱い紐帯の強み」という研究をもとに、親しい人ではなく「少し親しい人」からの情報や繋がりがキャリア構築において重要であるというお話がありました。
このように「ネットワーク」を活用する手段として、リンクトイン・ジャパン株式会社の方々をお招きしビジネス特化型SNS「LinkedIn」の利用方法や活用事例について紹介いただきました。
先輩インタビュー
身近な存在である筑波大学出身の先輩2名より、学生時代の過ごし方や社会に出てからの気づきを共有いただきました。
■黒﨑賢一氏(情報学群出身)
学生時代に起業をし、現在株式会社TOKIUM代表取締役を務め人事に関わる業務からの視点を紹介いただきました。
『学生時代の経験において1番の財産は「仲間と出会えたこと」であり、そのメンバーと現在の会社を作り上げることができた。現在は代表取締役として求職者と面談をすることが多く、その中でも学生アスリートの強みは「チームで困難なことに立ち向かう」ことができるところだと感じている。今後、キャリア選択をする時には「実際に自分の目で見て」判断することが自分自身にマッチしたキャリア実現に繋がるのではないか』とお話いただきました。
■鈴木愛佳氏(社会・国際学群出身)
女子ソフトボール部にて学生アスリートとして活動しながら、自身のキャリア形成に取り組んだ事例を紹介いただきました。
『部活動の経験を自身の強みとして語るには「自分と部活動の関係値」に着目し、「どのようなモチベーションで取り組んできたのか」や「困難をどう乗り越えたか」を見つめ直すことがキャリアを考える上でのヒントとなる。部活動で忙しい時もあるが、だからこそ限られた時間で自分のできることから取り組んで行ってほしい』とお話いただきました。
自分の強み分析
筑波大学独自で開発した「自己成長診断ツールSAGASU」を用いた振り返りや、自身の部活動における経験をまとめ、今後のキャリアに向けた具体的なアクションプランをグループディスカッション形式で発表し合いました。
自分のキャリアビジョンをプレゼン
最後には、過去のエピソードを踏まえ今後どんなキャリアを築いていきたいとか、大学スポーツを通して得たものをどう活用できるかについて各自2分間のプレゼン発表を行いました。
参加した学生アスリートの声
『自分の将来を考える良いきっかけとなった。卒業後のキャリアについては、自分のやりたいことだけではなく違う選択肢についても、先輩や周りの人から積極的に情報収集を行なっていきたい』
『異なる価値観を持つメンバーが集まるチームで対立が起こることは避けられませんが、その中でもチームで一丸となるために、お互いが折り合いをつけながら、積極的にコミュニケーションをとってきた経験は、社会に出ても役立つのではないかと感じた』
「スポーツ基金」より、筑波大学における大学スポーツ関連事業、ならびに運動部等の活動への、ご支援・応援をお受けしております。
詳細は、以下リンクよりご確認ください。